幼稚園のときに、よく一緒に遊んでいたね。わたしの、家でよくロックマンとかマリオとかゲームをしていたね。わたしは、無口な性格だったけど、「なにもいわないからいい」って、普通同世代の子供なら、退屈なだけって思うはずなのに、君は随分大人な発言をしていたね。マリオごっこのときに、ピーチ姫ねっていってくれた時も内心うれしかったけど、ただ私は固まっていたけど、紳士だった。喧嘩というより、わたしが、一方的に怒って手を出した時も、きょうへいくんは、手を出さずに「泣いてもなにも始まらない」って、確かにそのとおりだな〜と思う。でも、泣き虫なのは、この年になっても変わらないよ。わたしが、ケガをして、右足にギブスをしたときに、友達の頭に松葉杖を落としてしまったとき、友達が怒っていた時も、わたしが、怖くて謝れないでいると、「いまの俺」って、罪をかぶってくれたね。いま、思えば、幼いのによくできた人間だったなって思う。人生半分おわった今、なぜか、あのときのことが蘇る。わたしが、あのとき、きみがいつも通り、わたしの家に遊びにきたときに、ドア越しに、「もう来ないでいいよ」っていってしまったこと激しく後悔してる。あのとき、「俺のこと、嫌い…?」ってきいてきて「嫌い」って、嘘をいってしまったけど、本当は、あのときあんなこといわなければ、まだ関係続いてたのかと思うとつらい。きみは、学校で、人気者だったから、いじめられっこのわたしじゃ釣り合わないと思ったんだ。よく考えたらつまらない意地だったね。それでも、最後に力いっぱいドアを開けようとしたドアノブの感触が今も残ってる。叶うならもう一度再会したい。きみが、どんなふうに変わってしまったか知らないけど、きっと変わらずやさしくて、ますます魅力的な大人になったんだろうな。つらい現実ばかり見てきて、心を閉ざしてしまってごめん。そして、こんな弱虫なわたしにいつもやさしくしてくれてありがとう。