1984年の春に東京の高校へ転校して行った幹ちゃん、今はどちらにいらっしゃいますか。あなたへ宛てた手紙をここで預かっていただいています。とても会いたくて公開してみたけれど、あなたが見付けてくれるのはまだずっと先のようです。なので迷惑をかけないうちに封をして、このまま置いておきますね。これまでの正直な気持ちを書いたから、後日登録して読んで下されば、当時の私を思い出していただけるでしょう。
 もし、もう一度会えたなら、私には夢のようなことですが、昔みたいにあなたと音楽の話がしたいです。お互い歳を重ねたら、そうして懐かしさだけが残ったら、子どもだったあの頃のようにまた良い友達になれるかしらと、そんなふうに思うようになりました。
 だけど幾つになっても愚かな私には、まだ無理みたいです。だから今ではありません。この先もあなたらしく素晴らしい人生を存分に生きた後、私と同じように思ってくれたなら、いつか訪ねて来て下さいな。故郷の京都で、かけがえのない親友にお目にかかれる日を、楽しみにして待っています。
 それまでどうか、どうかお元気で。それからお伝えするのが遅くなったけれど、いつまでもお幸せに。

         令和三年四月
                よう

   


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